府中市美術館では、3月9日から5月6日の期間に、「春の江戸絵画まつり かわいい江戸絵画展」を開催している。
この展覧会は、「かわいい」という言葉をキーワードに、江戸時代の絵画の中に表現された、さまざまな感情に注目してみるというもの。
展示品には、円山応挙の描いた子犬や、歌川国芳の猫、長沢蘆雪の子供の絵など、「かわいい」という言葉をキーワードとして、見落としがちな江戸絵画の魅力を提供してくれるそうだ。
4月7日から9日に全作品の入れ替え実施
なお、同展覧会では、前期を3月9日から4月7日まで、後期を4月9日から5月6日までとして、全作品の展示替えが行われる。
休館日は、基本的に毎週月曜日と4月30日。ただし、4月29日と5月6日は開館される。
開館時間は、午前10時から午後5時(入場は午後4時30分まで)で、観覧料は、一般が700円、高校生・大学生は350円、小学生・中学生では150円となっている。また、府中市内の小中学生は、『府中っ子学びのパスポート』を持参すれば無料となる。
購入後は2度目の観覧料が半額になる特典も
ちなみに、1度目の観覧チケットには、2度目の観覧料が半額になる割引券が付いており、この展覧会に限って1回のみ有効で、他の割引との併用はできないといった縛りはあるが、興味のある方は、ぜひ活用していただきたいものだ。
また、展覧会の開催中には、毎週日曜日午後2時と3時の2回、無料のスライドレクチャー(20分)が行われたり、4月29日には「子犬をかわいらしく描くこと」(音ゆみ子:同美術館学芸員)、5月4日には「かわいい江戸絵画-その論理と歴史」(金子信久:同美術館学芸員)などの無料講座も開かれることになっている。
さらには、4月5日から7日まで「さくらオープンテラス」が開放となり、テラスで桜を楽しみながら、簡単なワークショップを楽しめるという趣向もある。こちらは有料。
はかないものや可憐なものへの慈しむ気持ち。それが「かわいらしい」という言葉であり「かわいい」と表現してきたようだが、いまや「かわいい」の基準は、拡大解釈どころではなく、およそ「発する本人が説明できないもの」すべてを指すまでにひろがっているようだ。混乱の果てには、まず基本に帰ること。素直な心持ちで観覧したい展覧会といえよう。
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