
カーニバル開幕を1週間後に控え、日々熱気が高まるブラジル。
「リオのカーニバル」の舞台、リオ・デ・ジャネイロのみならず、ブラジル国内はまさにカーニバル一色。
カーニバル期間中、リオだけでも毎年70万人以上の観光客が世界中から訪れる事もあり、市当局としては交通整理をはじめとした様々な問題を抱えているのもまた事実だ。ことにカーニバル終了後、多くの一般市民は日常生活へと戻るのだが、市民の足である電車やバスなどに大幅な乱れが生じてしまう。それを解消するため、とあるグループに白羽の矢が立てられた。
当局が助けを求めたグループ
所属メンバー総勢100名以上、ライブではその中心メンバー20数名が表舞台に立つ、Monobloco(モノブロコ)。その音楽性は伝統的なサンバをベースとして、ロック、ヒップホップ、ポップス、ファンクといった様々なジャンルを取り込んだ、サンバ・ミクスチャー・ロック。
国内の若者のみならず、海外でも絶大な人気を誇る彼らに目をつけた当局は、交通渋滞の緩和および交通整理を目的として、パレードを正式に依頼した。長年の頭痛の種を解消するための、まさに苦肉の策である。
モノブロコは元々、サンバナイズされたパーカッシヴなロックサウンドで人気を博したPedro Luís e A Parede(ペドロ・ルイス・イ・ア・パレーヂ)というグループのメンバーが立ち上げた、れっきとした“サンバチーム”。パレード演奏にも十分対応が可能だったのだ。
大群衆を引き連れて
かくして関係者の胸に不安と期待が渦巻く中、モノブロコのパレードは決行された。
人気絶頂のグループのカーニバルパレード、との情報を聞きつけた観光客をはじめ、未だカーニバルの余韻が抜けきらない市民、その他多くの観客が彼らのパレードする沿道に押し寄せる。その数およそ、数万人。その間に渋滞区画の交通整理は順調に進み、モノブロコのパレードもまた大盛況のうちに終点を迎えたのだ。
そしてこの成功が元とって彼らは毎年“重大な使命”を帯びてパレードを行うようになり、それは今では本命の「サンバカーニバル」に勝るとも劣らぬ人気を誇るまでに成長している。
今年もまた、熱いカーニバルとなりそうだ。
※画像は関連リンクより転載
Monobloco official site(海外サイト)Monobloco MySpace<関連リンク>
http://www.lastfm.jp/music/Monobloco